難消化性オリゴ糖の種類と効果!過剰摂取の害についても解説します
難消化性オリゴ糖とは、胃や小腸で消化・吸収されずに、大腸まで運ばれる糖のことを言います。
大腸内ではビフィズス菌などの善玉菌の餌となり、腸内環境を活発にします。
この記事では、難消化性オリゴ糖の種類と効果、過剰摂取したときの害、安全性についてお伝えします。
消化性のオリゴ糖と難消化性のオリゴ糖
オリゴ糖は大きく分けて、消化性オリゴ糖と難消化性オリゴ糖があります。
消化性オリゴ糖は、消化酵素によって分解されエネルギーとなります。
一方で難消化性のオリゴ糖は、消化酵素によって分解されずに、そのまま大腸まで届き、ビフィズス菌などの善玉菌の餌になります。
元気になった善玉菌は、悪玉菌を抑制し、その結果、善玉菌優勢の環境となり腸内環境が整います。
消化性のオリゴ糖の代表例として、ショ糖・乳糖が、難消化性のオリゴ糖の代表例としてラフィノース・ガラクトオリゴ糖があげられます。
主な例 | |
---|---|
消化性オリゴ糖 | ショ糖・乳糖 |
難消化性オリゴ糖 | ラフィノース・ガラクトオリゴ糖 |
難消化性オリゴ糖の働き
消化性のオリゴ糖は、名前の通り小腸で吸収→消化という道をたどるため、体のエネルギー源となります。
一方、難消化性オリゴ糖は、小腸で吸収→消化しないため、エネルギー源になりにくく、血糖値もさほど上がらず「善玉菌を増やす」という役割だけに集中して働いてくれます。
難消化性オリゴ糖の種類
難消化性オリゴ糖の代表例を6つご紹介します。
別名ラフィノースとも言われています。
北海道で育った甜菜(砂糖大根)から抽出した糖で、大腸内で善玉菌のエサになります。
大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌を減少させます。
小児科ではアトピー性皮膚炎の患者に処方されることが多いです。
玉ねぎ、にんにく、バナナなどの野菜や果物に自然含有されています。
商品としてのフラクトオリゴ糖は、砂糖を原材料に作られます。
原料は砂糖大根、サトウキビ、チコリなどです。
花粉症などのアレルギー症状の改善に効果が期待できます。
また虫歯の原因菌といわれるミュータンス菌のエサにならず、歯垢の原因といわれる不溶性グルカンを生成しないため虫歯予防にもなります。
育ち盛りのお子さんには白砂糖の代わりにフラクトオリゴ糖の摂取がオススメです。
母乳や牛乳などの乳製品に含まれています。
商品としてのガラクトオリゴ糖は乳糖を元に作られます。
主にアメリカ産の乳糖が用いられます。
ビフィズス菌を増殖させるので、便秘や下痢に効果が期待できます。
熱や酸に強い性質を持っています。
大豆に含まれている糖です。
オリゴ糖のなかでも甘みが強く、砂糖の約70%の甘みがあります。カロリーは約半分です。
消化酵素によって分解されずに、大腸まで運ばれ、善玉菌の餌となり、腸内環境を整えます。
熱や酸に強い性質を持ちます。
別名ラクトスクロースとも言われています。
乳糖と砂糖を原料に酵素の反応を利用して作られます。
砂糖に近い味質を持ちます。甘みも強め。砂糖の約50%前後の甘みです。
難消化性の性質を持ち、腸内で善玉菌を増加させ、悪玉菌を減少させる働きをします。
砂糖の代用に適したオリゴ糖と言えるでしょう。
自然界では、たけのこやとうもろこしに少量含まれています。
通常、トウモロコシの芯からキシランという食物繊維を抽出→酵素分解して作られます。
虫歯を予防するといわれるキシリトールガムは、このキシランを原料にしています。
オリゴ糖のなかでも整腸作用が優れています。
この他にも、ミルクオリゴ糖、アガロオリゴ糖、コーヒー豆マンノオリゴ糖などもあります。
難消化性オリゴ糖の効果
胃や小腸で吸収されずに、ダイレクトに大腸まで届きます。
腸内ではビフィズス菌などの善玉菌の餌となり、善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制します。
その結果、善玉菌優勢の環境となり腸内環境が整います。
便秘が解消することによって、以下の効果も間接的に期待できます。
- 美肌作用
- 抗アレルギー作用
- カンジダ菌の抑制
- 花粉症の改善
- 免疫力アップ
- 口臭改善
- 生理痛改善
- ニキビ改善
- PMS改善
難消化性のオリゴ糖を摂ると、善玉コレステロールが増えます。
善玉コレステロールが増えることで悪玉コレステロールや中性脂肪が低下します。
悪玉コレステロールや中性脂肪が減ることで動脈硬化の予防ができます。
難消化性オリゴ糖は砂糖に比べて低カロリーです。また、腸内環境が整うため痩せやすい体質となります。
難消化性オリゴ糖は虫歯菌の栄養源となりません。砂糖をオリゴ糖に置き換えることにより虫歯予防に繋がります。
難消化性オリゴ糖で善玉菌が増えると、腸内環境が酸性となりミネラルが体に吸収されやすくなります。
砂糖と較べてGI値は低め。
胃や小腸で吸収されることもほとんどありませんので、エネルギーになりにくく血糖値の上昇は緩やかです。
糖尿病など血糖値が気になる方にも安心の食品と言えるでしょう。
小児科ではアトピー性皮膚炎の患者にラフィノースが処方されることが多いです。
難消化性オリゴ糖の副作用や危険性
難消化性オリゴ糖に危険性はないのでしょうか?
摂りすぎない限り安心して使えます。
過剰摂取した場合には、下痢になったり、お腹が張ったりする可能性があります。
どのぐらいを目安に摂っていれば安全ですか?
摂取目安は、2歳までの乳児は1日0.5〜1g。
成人は1日5gを目安にするといいでしょう。
難消化性オリゴ糖と食物繊維の違い
両者ともプレバイオティクスという点で共通です。
水溶性食物繊維のほうは、難消化性のオリゴ糖と、その働きは、ほぼ同じと捉えていいでしょう。
難消化性のオリゴ糖も水溶性食物繊維も、消化酵素によって分解されることなく、大腸まで運ばれ、大腸内の善玉菌の餌となります。
不溶性の食物繊維は、胃や腸で水分を吸収。便のカサ増しの働きをすることにより便通を促します。
まとめ
便秘にお悩みの方だけでなく美容、ダイエット、血糖値などに気を遣う方にも難消化性オリゴ糖はおすすめです。
普段のコーヒー、和食の味付けなどに使う砂糖の代用に、甘みもあって善玉菌を増やす難消化性オリゴ糖をご検討ください。
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